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第4回静岡がんと生殖医療ネットワーク講演会 :2017

第4回SOFNET講演会を振り返って

第4回静岡がんと生殖医療ネットワーク講演会の様子
2017年10月28日(土曜日)に浜松プレスタワーにて第4回SOFNET講演会を開催させていただきました。今回の講演会は、小児がん、遺伝性がん、がんサバイバーを主題とさせていただき、講師に三善陽子先生と恒松由記子先生にお越しいただき、この度も貴重な講演会が実現しました。三善先生は当番世話人の藤澤泰子先生に、恒松先生は代表の望月修先生に推薦いただきました。

開会の挨拶では、ソフネット代表の望月修先生により、2016年1月から12月までの1年間のソフネット生殖医療連携施設の診療実績調査の集計結果を紹介いただきました。妊孕性温存について相談を受けた女性患者28名中17名(約60%)が乳がん患者で昨年の報告と同じ傾向でした。今回から男性患者についても調査し、精子凍結保存を行なった男性患者は27名でした。今後はがんサバイバーについても検討したいと考えます。

特別講演:大阪大学大学院医学系研究科・小児科学講師 三善陽子先生

第4回sofnet 三善陽子先生の特別講演の様子

続いて特別講演では、大阪大学大学院医学系研究科・小児科学講師の三善陽子先生に「小児・若年がん患者の妊孕性支援のための生殖医療ネットワーク構築」(座長:浜松医科大学小児科学講座講師の藤澤泰子先生)、順天堂大学医学部・小児科学講座客員教授の恒松由記子先生に「小児がんを中心とした遺伝性がんUp to date-特に子どものがんも大人のがんも遺伝するLi-Fraumeni症候群について-」ご講演いただきました。

三善先生は本邦の小児・若年がんサバイバーと妊孕性に関する研究の代表として本領域を牽引されておられ、ご講演では、直面する様々な問題点と改善策、今後の展望について分かりやすくお話いただきました。小児・若年がん患者と生殖医療を取り巻く問題点として、施設内の腫瘍・内分泌・生殖・周産期などの専門家の不在、診療録や情報の途絶、施設間の医療格差、医療費助成制度、多職種による支援体制などの体制の問題に加えて、がんと不妊に関する本人への説明不足、長期フォローアップからの欠落、妊孕性温存療法や不妊治療の精神的・肉体的・経済的負担、妊娠及び分娩時の母児の健康問題などの小児・若年であることによる問題があることを、我々は認識として共有する必要があることを学びました。


特別講演:順天堂大学医学部 小児科学講座 客員教授 恒松由記子 先生

第4 回sofnet 恒松由記子先生の特別講演の様子
恒松先生は、本邦で初めてLi-Fraumeni症候群家系を診療され、家族性腫瘍の診療・カウンセリング及び研究の第一人者としてご活躍されています。Li-Fraumeni症候群は家族性腫瘍の17%を占め、5000人に1人すなわち日本人の25,000人に認められます。がん抑制遺伝子であるTP53の生殖細胞変異によって、幼少期から中高年にかけて、あらゆる臓器のあらゆる悪性腫瘍の発症リスクとなり、その浸透率はHBOCの原因遺伝子であるBRCA1/2の変異よりも高いとされ、特にBRCA1/2検査陰性者の若年乳がん患者に対してTP53検査を推奨するべきこと、二次性がんの発症リスクに備えた検診対策を講じる必要があること、を学びました。若年がん患者では特にLi-Fraumeni症候群を念頭に置いた診療と長期フォローアップが大切であり、また、妊孕性温存に関連した着床前遺伝子検査の必要性についても議論を深める必要がある時代になったことを教えていただきました。

第4回SOFNET講演会の結びとして

第4回sofnet講演会の様子
閉会にあたり、当番世話人の藤澤泰子先生よりご挨拶をいただきました。特に小児がんを対象とする診療は、がんサバイバーのフォローアップと遺伝性がんの取り扱いを念頭に置く必要であり、三善先生、恒松先生のお話にもあったように、診療科の垣根を超えた連携と協力を必要とし、ソフネットを通じて、今後ますます小児科と産婦人科及びその他の診療科、多職種間の連携を深めていくことの大切さについてお話しいただきました。

末筆ながら、共催の中外製薬、富士製薬工業、日本化薬様に心より感謝申し上げます。
文責:ソフネット幹事 田村直顕。

第3回静岡がんと生殖医療ネットワーク講演会 :2016

第3回SOFNET講演会を振り返って

第3回静岡がんと生殖医療ネットワーク講演会の様子
2016年11月12日(土曜日)にアクトシティ浜松コングレンスセンターにて第3回SOFNET講演会を開催させていただきました。会に先立ちソフネット代表の望月修先生より、直近1年間のソフネット生殖医療連携施設の診療実績調査の集計結果をご発表いただきました。ソフネット生殖医療連携施設全体で計33件のがん患者様の妊孕性温存に関する相談に応じ、半数以上の方に胚または卵子凍結が行われていました。全国の傾向と同様で、そのうち乳がん患者様が最も多く約7割を占めていました。血液がん、婦人科がん、消化器がんなどの患者様もおられました。一方、ソフネットとして、その他の多くの患者様に未だ手を差し伸べられていない状況にあり、今後も関係各位と共に様々な課題を乗り越えて、ソフネットの活動がさらに広く理解され発展するように努力する必要性を改めて認識しました。

特別講演:秋田大学大学院医学系研究科 奈良美保先生

第3回sofnet 奈良美保先生の特別講演の様子
続いて特別講演では、秋田大学大学院医学系研究科・医学部・血液内科助教の奈良美保先生に「血液疾患治療における妊孕性〜選択する自由〜」(座長:静岡がんセンター・血液・幹細胞移植科部長の池田宇次先生)、岐阜大学大学院医学系研究科・医学部・産婦人科学准教授の古井辰郎先生に「がん・生殖医療連携としての岐阜モデルの現状と課題」(座長:ソフネット代表・望月修先生)についてご講演いただきました。奈良先生は血液腫瘍の分野でがん生殖医療を牽引する第一人者です。奈良先生には、血液がん特有のリスクや疾患ごとの治療過程の相違や様々な問題点を妊孕性温存の視点からも鋭く分析され、妊孕性温存対策として、放射線に対する遮蔽やGnRHアナログ療法などの治療についてもご講演いただきました。また、奈良先生は秋田大学においてAK(あきらめないで!)プロジェクトを立ち上げられおり、産婦人科と連携して定期的に合同カンファレンスを開催し、患者様一人一人への対応、治療方針について丁寧に検討していることもご紹介いただきました。これまで、妊孕性温存に関しては、原疾患に対する治療の本流に対し、オプションの一つとして産婦人科、生殖医療機関に対応を一任される傾向がある中、奈良先生のチームは、原疾患に対する治療の一環として自ら妊孕性温存に関する情報を患者様に十分に説明し、患者様が原疾患と向き合う中で適切な情報をもとに妊孕性温存についても考える機会を得られられるよう、診療体制を整えていることもご講演いただきました。

特別講演:岐阜大学成育医療・女性科 古井辰郎先生

第3回sofnet 古井先生の特別講演の様子
特別講演の第2部では、岐阜大学成育医療・女性科(産科婦人科)古井辰郎先生にお願いをしました。古井先生は、本邦で初となる岐阜モデルとして知られる地域完結型がんと生殖医療の連携システムを構築され、日本がん・生殖医療学会の理事としてもご活躍されております。古井先生には、最新のエビデンスと知見に基づき生殖医療及びOncofertilityについて詳細にご紹介いただきました。また、胚・未受精卵・卵巣凍結のそれぞれの適応・特徴・問題点や卵巣凍結及び自家移植の技術と課題についても、ご自身で分析されたデータをもとに分かりやすくご講演いただきました。また、岐阜モデルは、すでにがん治療・生殖医療・行政などの各専門領域の連携が整備されているだけでなく、古井先生のチームが中核となり、いつ何時でも患者様に対応できるように日頃から注力されていることが礎になっていることも分かりました。カウンセリング体制の充足化も進められており、今後のソフネットの活動を発展させるためにも非常に参考になるご講演をいただきました。

第3回SOFNET講演会の結びとして

閉会にあたり、当番世話人の静岡がんセンター・乳腺センター長の高橋かおる先生よりご挨拶をいただきました。高橋先生はソフネット発足当初から本会の発展にご尽力いただいており、診療科や職域の垣根を超えてOncofertilityについて最新の情報を共有し話し合う機会があることの大切さについてお話しいただきました。 末筆ながら、共催の持田製薬株式会社、フェリング・ファーマ株式会社様に心より感謝申し上げます。 文責:ソフネット幹事 田村直顕

第2回 静岡がんと生殖医療ネットワーク講演会

【日時】 平成27年10月17日(土曜日) 14:30 〜 17:30

【場所】 静岡県職員会館「もくせい会館」 第1会議室

【症例報告1】 『乳がん患者の胚凍結について』 俵IVFクリニック 俵史子先生

【症例報告2】 『大腸がんの卵子凍結例について』 聖隷三方原病院 千田裕美子先生

【特別講演1】 『大腸がん治療 〜化学療法の役割〜』  静岡県立総合病院 腫瘍内科 主任医長 多久佳成先生

【特別講演2】『乳がん患者の妊孕性保持 State of Artと今後』 国立がん研究センター中央病院 乳腺・腫瘍内科外来医長 清水千佳子先生

       

【詳細】 PDF(132 KB)

第2回静岡がんと生殖医療ネットワーク(SOFNET)講演会を振り返って

第1回SOFNET設立記念講演会に続いて、2015年10月17日(土曜日)に静岡県職員会館「もくせい会館」にて第2回SOFNET講演会を開催させていただきました。  今回は、俵IVFクリニック院長の俵史子先生に「乳がん患者の胚凍結について」、聖隷三方原病院の千田裕美子先生に「大腸がん患者の卵子凍結例について」、それぞれ日常診療にて経験された症例をもとにご発表いただきました。俵先生は、がんと生殖医療の対象となる主要な疾患である乳がん症例を多数診療されており、排卵誘発の工夫や紹介施設との連携についてご発表いただきました。千田先生には、大腸がん患者に対して行った生殖補助医療についての貴重な経験症例についてご紹介いただきました。

特別講演として、静岡県立総合病院腫瘍内科の多久佳成先生に「大腸がん治療〜化学療法の役割〜」、国立がん研究センター中央病院乳腺・腫瘍内科の清水千佳子先生に「乳がん患者の妊孕性保持 State of Artと今後」と題し、大腸がん、乳がんに関する最新のトピックスと生殖・周産期医療との関わりについてご講演いただきました。

特別講演:静岡県立総合病院腫瘍内科 多久佳成先生

静岡県立総合病院腫瘍内科 多久佳成先生
大腸がんは現在、本邦の悪性腫瘍の死亡原因の中で最も多い疾患です。多久先生は大腸がんを含め、県内でも数多くの消化器がん患者を診療されており、ご発表ではエビデンスに基づいた最新の治療法からご経験された大腸がん患者の周産期管理についてのお話を頂きました。化学療法を行いながら生児を得た症例は、患者、家族、腫瘍内科医、産婦人科医の努力と意思疎通の賜物で、がんと生殖医療の理想とする連携体制をとられていたと感銘を受けました。

特別講演:国立がん研究センター中央病院乳腺・腫瘍内科 清水千佳子先生

国立がん研究センター中央病院乳腺・腫瘍内科 清水千佳子先生
清水先生は、乳がん領域におけるOncofertilityの分野のパイオニアかつ第一人者であり、これまでに厚生労働省研究班の代表として「乳がん患者の妊娠出産と生殖医療に関する診療の手引き」も監修されております。先生には、これまでの数多くの研究に基づき、若年乳癌の特徴と標準的治療から、患者の意思決定支援のための適切な情報提供について、また、更なる妊孕性保持の安全性に関する今後の取り組みについてご講演頂きました。今後も、ぜひご指導賜りたいと存じます。

文責:SOFNET幹事 田村直顕

第1回 静岡がんと生殖医療ネットワーク設立記念講演会

【日時】 平成27年4月23日(木曜日) 19:00 〜 20:30

【場所】 アクトシティホテル浜松 2階 コングレスセンター21会議室

【特別講演】 『がん・生殖医療の実践〜地域で完結するネットワーク構築の必要性について』
       聖マリアンナ医科大学 教授 鈴木 直先生

【詳細】 PDF(132 KB)

第1回静岡がんと生殖医療ネットワーク(SOFNET)設立記念講演会を振り返って

第1回静岡がんと生殖医療ネットワーク(SOFNET)設立記念講演会を2015年4月23日(木曜日)アクトシティホテル浜松コングレスセンター21会議室にて開催させていただきました。

特定非営利活動法人日本がん・生殖医療研究会(JSFP)の理事長である鈴木直先生(聖マリアンナ医科大学産婦人科教授)に「がん・生殖医療の実践〜地域で完結するネットワーク構築の必要性について」ご講演頂きました。鈴木先生には、最新のエビデンスに基づくOncofertilityの現状と今後の展望について非常に明解にお話いただきました。中でも本領域の情報と技術の目まぐるしい変遷とその進歩の速さに驚かされました。

講演会には約60名の医療関係者にご参加頂き、産婦人科以外のがん治療医からも活発な質疑が多く寄せられ、キックオフにふさわしい有意義でメモリアルな講演会となりました。ご講演頂きました鈴木直先生、共催の持田製薬、フェリング・ファーマ様に心より感謝申し上げます

文責:SOFNET幹事 田村直顕
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